外貨建ての生命保険~円安で受取金額が増えている場合の為替差益は個人の雑所得
こんにちは。
和歌山市の女性税理士の内西です。
このところ、円安の為、様々な輸入品が値上がりし、各ご家庭、事業をされている方、様々な人々に影響を及ぼしています。海外旅行等見合わせる方も多いでしょう・・・
また、この円安で、外貨建ての生命保険の満期などあった場合は、為替の影響で、利益を得ている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
保険料支払 本人・保険金受取人 本人 の満期保険金受取は一時所得
受取金額は、個人の所得税のうち一時所得の収入金額になります。
また、これまでに支払った保険料を差し引きます。
そして特別控除額の50万円を控除
その後の金額を1/2します。
外貨建ての場合であっても、日本円で保険料を支払い、日本円で保険金を受け取った場合は実際に支払った日本円、受け取った日本円で計算しますので、為替は考える必要がありません。
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受け取る保険金を据え置きした場合
加入している保険によりますが、満期などの受け取る保険金を、外貨のまま受け取ったり、又据え置きができる外貨建ての保険もあります。
例えば、ずっと据え置きで持っていて、数年後受け取った場合どうなるのでしょう?
所得税の基本通達36-13
一時所得の総収入金額の収入すべき時期は、その支払を受けた日によるものとする。ただし、その支払を受けるべき金額がその日前に支払者から通知されているものについては、当該通知を受けた日により、令第183条第2項《生命保険契約等に基づく一時金に係る一時所得の金額の計算》に規定する生命保険契約等に基づく一時金又は令第184条第4項《損害保険契約等に基づく満期返戻金等》に規定する損害保険契約等に基づく満期返戻金等のようなものについては、その支払を受けるべき事実が生じた日による。
原則は支払を受けた日、としていますが、
事前にその支払があることを認識しているような場合には、
その支払の日によらず
その支払があったことを知った日、
又は支払を受けるべき権利が確定した日
をもって、
一時所得の収入金額の計上時期とする
と記載されています。
つまり据え置いた場合は
「支払の事実が確定した日」
で一度受け取ったものとして一時所得を上げなければなりません。
その後、一定期間据え置いてから保険金を受け取った場合、
「支払の事実が確定した日」
と
「保険金を受け取った日」
で外貨建ての場合は為替による差損益が発生します。
この差損益はその「保険金を受け取った日」の雑所得の金額として計上します。(又、据え置きの保険金に利息が付いたような場合もこの利息分は雑所得の金額になります。)
損失が出た場合には、年金等他の雑所得の金額がある場合には内部通算できます。
それでもなお損失の金額がある場合には切り捨てになります。
逆に為替差益がある場合には確定申告が必要です。
外貨建ての満期保険金などを据え置いており、円安になった今受け取る場合には、為替による利益がでる事が多いと思います。
まとめ
❶据え置きをしたところで、いったんその保険金受取事由が生じたときに一時所得として受け取ったとされるので、
一時所得の金額が出る場合には確定申告をしなければなりません。
❷一定期間据え置き後、受け取った場合には、
その一時所得の総収入金額にあげた日本円に換算した金額と、
据え置き後受け取る保険金の金額との差額で
利益が出ているような場合には
雑所得として、申告しなければなりません。
外貨建ての受取保険金を外貨のままもっていた場合も同じです。
保険金受取事由が生じたときに、そのときの為替レート(TTM)で換算し、一時所得として申告
外貨を日本円にした時に、為替差損益として雑所得の金額として申告(雑所得がこの分しかなく損が出ている場合は申告の必要なし。)
が必要です。
外貨建ての保険金を相続し、申告時よりも受取時の保険金に為替による差益がある場合どうなる?
相続時には相続があった日の為替レートで保険金は円換算し相続税の計算をします。(通常TTB)
現在のように急激な円安がすすんでいる場合には、相続開始日の評価額と、実際に相続人がその保険金を受け取るときの金額が為替相場が違っているためかなり多くなることがあります。
・・・どうなるんだ?この利益は放っておいていいのか?
例えば2万ドルの外貨建て生命保険の保険金
相続開始時のレート換算で225万円だったものが受取時のレート換算で275万円だった場合
50万円もの差額があります。
この場合は、相続税の修正申告とはならず、(相続時の評価は正しいので)
保険金を相続した方の、個人の雑所得となります。
相続で受け取った外貨建ての保険金の為替差益となるためです。
相続の場合も、相続開始日にいったん評価して、その後の差益は保険金を受け取った方の個人の雑所得として考えます。
申告不要制度あり
確定申告が必要と書きましたが
給与所得者(年末調整済)で
給与以外の各種所得の金額(給与所得・退職所得を除く)が、20万円以下の場合は
確定申告は必要ありません。
年金所得者で
以下のいずれにも該当する場合には、計算の結果、納税額がある場合でも所得税等の確定申告は必要ありません。
- ①公的年金等(その全部(※)が源泉徴収の対象となる場合に限ります。)の収入金額が400万円以下
※ 所得税法第203条の7(源泉徴収等を要さない公的年金等)の規定の適用を受けるものを除きます。 - ②公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下
注意は、給与所得者でも、年金所得者でもない方は、為替差益がある場合その額が20万円以下であっても確定申告の必要があります。
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