個人事業主の帳簿付け~簡易簿記と複式簿記があるけどどう違うのか?

こんにちは。

和歌山市の女性税理士、内西です。

今回は、簿記について書こうと思います。


青色申告を選ぶときに

簡易簿記による方法・・・10万円控除

複式簿記による方法・・・55万円又は65万円控除

と分けられていますが、

簡易簿記 複式簿記

どう違うか分からないから選べない・・・・

という方のために、簡単に解説しようと思います。

会計ソフトを使い日々仕訳を入力している方は(ソフトの種類にもよりますが)ほぼ「複式簿記」になります。

簡易簿記とは

単式簿記とも呼ばれ、一つの取引につき一つの科目を使うものが簡易簿記です。

必要な帳簿の種類は事業の種類にもよりますが、

「現金出納帳」

「売掛帳」

「買掛帳」

「経費帳」

「固定資産台帳」

の5つの帳簿が標準的な簡易帳簿といわれています。

先ほど書いたように会計ソフトを利用されている方はほぼ「複式簿記」に分類されることから、この「簡易簿記」に該当する方は手書きの方ということになります。

日々の取引がそれほど多くなく、小規模なフリーランスの方、お給料ではなく報酬という形で収入を得る保険会社の外交員の方や、インストラクターやピアノ等の講師の方、などになると思います。

上記の方達の場合「売掛帳」「買掛帳」を使う方は少ないのでは・・・と思います。

すると必要になってくるのは

「現金出納帳」

「経費帳」

「固定資産台帳」

の3つです。

そして、「固定資産台帳」は青色申告決算書の3ページ目の減価償却費の計算にその明細をのせることになっているため、これがあればいいです。

よって

事業の形態にもよりますが、多くは

「現金出納帳」

「経費帳」

の2つになることが多いのではないかと思います。

「普通預金出納帳」

は通帳で確認が取れるため帳簿として置いておく必要はありません。

複式簿記とは

複式簿記とは、一つの取引につき2種類の勘定科目を使って記帳していく方法です。

必要な帳簿の種類は

「総勘定元帳」(使用した全ての勘定科目の元帳)

「仕訳帳」

「固定資産台帳」

このほか補助簿として、売掛帳 買掛帳 経費帳 などがありますが、全て「総勘定元帳」で補えますので、別に作成する必要はありません。

「固定資産台帳」は簡易簿記と同じく特に必要ないと思います。 

会計ソフトを使うと、全ての帳簿が作成されます。

入力さへ正しければ、青色申告特別控除55万又は65万円が適用できる複式簿記に自動的になっているのです。

例を挙げて、簡易簿記と複式簿記を比べてみる

❶4/2 現金でノートとボールペンを買い、260円を支払った。(コンビニ)

❷4/5 接待に使うお菓子を購入し1,500円を現金で支払った。(××商店)

❸4/28 報酬200,000円が事業用の普通預金に振り込まれた。(▲▲会社)

❹4/30 上記の普通預金より事業用に150,000円引き出した。

❺4/30 生活費として 現金100,000円を事業主に渡した。

簡易簿記

Ⅰ現金出納帳

現金の増減だけに着目し以下のように帳簿をつけます。

❸は現金の増減には関係しないのでここには記入しません。

摘要には取引先名も記入しましょう。(上記では省略していますが)

Ⅱ経費帳

損益に関係する費用項目についてのみ記載します。

このような一覧になっている帳簿に記載していきます。

 ❹❺については費用に関係しないので記載の必要はありません。

取引先名称は、購入先や報酬の支払先を記載します。


このような帳簿を使った場合月ごとに集計した合計額を転記する必要があります。

一年間の収益費用の集計をするためです。

国税庁の「帳簿の記帳のしかた− 事 業 所得者用 −」に載っている”月別総括集計表”を参考にして下さい。

国税庁 帳簿の記帳のしかたパンフレットより


複式簿記

複式簿記の場合少なくとも簿記3級の知識が必要かと思います。

会計ソフトを使うにも簿記の知識ゼロでは難しいと思います。

会計ソフトfreeeの場合簿記の知識は不要とのことですが、やはり簿記の3級レベルは持っておきたいものです。

先ほどの取引を仕訳し、それをソフトに入力していく形になります。

ですので、「仕訳ができる」状態でなければ、会計ソフトを使うのは難しいと思います。

❶4/ 2 消耗品費    260 / 現金    260 ノート.ボールペン コンビニ

❷4/ 5 交際費    1,500 / 現金   1,500 お菓子 ××商店

❸4/28 普通預金 200,000  / 売上   200,000 報酬  ▲▲会社

❹4/30 現金   150,000  / 普通預金 150,000 引出 

❺4/30 事業主貸 100,000  / 現金   100,000 事業主へ生活費

と、このように仕訳を入力すると、

「仕訳帳」「総勘定元帳」が自動的に集計されてプリントアウトできます。

同じ内容を転記する必要もなく大変便利です。


まとめ

会計ソフトを使うと便利なのでオススメなのですが、取引を仕訳におこせるよう最低限の知識(簿記3級)は必要だと思います。

自力で確定申告をしようという方、最低限の簿記の勉強をすることをオススメします!!



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