源泉所得税の納付が遅れた場合のペナルティ~延滞税・不納付加算税について

こんにちは。

和歌山市の女性税理士、内西です。


毎月10日までに納付する源泉所得税

納期の特例の適用を受けている企業さんなら、年に2回(1月20日・7月10日まで)納付する必要があります。


10日が、土曜日、日曜日、祝日等の場合は、その翌日が期限となります。


考えたくはありませんが、もしも、納付することをうっかり忘れていたら、どうなるのでしょう?

余計に税金を納める羽目になるのでしょうか?

源泉所得税の納付が遅れた場合:延滞税と不納付加算税がかかってくるかも

延滞税

(1) 申告などで確定した税額を法定納期限までに完納しないとき
(2) 期限後申告書または修正申告書を提出した場合で、納付しなければならない税額があるとき
(3) 更正または決定の処分を受けた場合で、納付しなければならない税額があるとき
いずれの場合も、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じた延滞税を納付しなければなりません。
なお、延滞税は本税だけを対象として課されるものであり、加算税などに対しては課されません。
(国税庁HPより)

率について

令和4年1月以降の延滞税の率はそれぞれの区分に応じて以下の率になります。

法定納期限後2ヶ月以内の期間・・・年2.4% 👈7/10期限なら9/10までの期間

上記以後の期間について・・・年8.7% 👈9/11以後の期間

(上記以外納税の猶予等がある場合には年0.9%)

注:2ヶ月以内納付で低い利率になっているのは、早期納付を促す観点からこうなっています。


延滞税が課されないとき


端数処理について

納めるべき源泉所得税の1万未満は切り捨てられます。

例えば 本税が15,000円の場合は10,000円に率をかけます。

全額が1万円未満の場合は全額が切り捨て

つまり

延滞税はかかりません。

👉本税1万円未満には延滞税がかからない

不幸にも1万円以上だった場合、

計算した延滞税の100円未満は切り捨てられます。

例えば、計算した延滞税が4,650円だった場合 4,600円 になります。

全額が1,000円未満だと、その全額が切り捨てられます。

つまり

計算した延滞税が650円だった場合

延滞税はかかりません。

👉計算した延滞税が1,000円未満だと延滞税はかからない

「法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じた延滞税を納付」とあるので、

納付するまでの日数が短いほど延滞税はおさえられるということになるので

とにかく、納付し忘れていたのならば、速攻支払うのが一番ということですね。

結論:気づいたらすぐ納付


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不納付加算税

源泉所得税を、法定納期限までに納付しなかった場合に課されます。

❶法定納期限後に納税の告知を受けた場合

❷納税の告知前に納付した場合

とに分けられます。

❶の場合には、本税の額に10%を乗じた金額

❷の場合には、本税の額に5%を乗じた金額

の不納付加算税が課されます。

納付し忘れているのを自分で気づいて納付するのは❷になります。


こちらは日数によって額が増減するものではなく

1日でも遅れたらかかってくる

事になります。

不納付加算税が課されないとき

A:正当な理由があると認められる場合

B:法定納期限までに納付する意思があったと認められる場合
  かつ
  納期限後1月以内に納付する場合


Aについては、災害、交通・通信の途絶などやむを得ない事由などがあります。

注目すべきはBです。

ここではBについて詳しく解説します。

B:「法定納期限までに納付する意思があったと認められる場合」

「納付しようと思ってたんです!!」

「うっかり忘れてしまったんです!」

といえばいいのかというとそういうことではなく

どのような場合をいうのかきっちり定められております。

↓ ↓

法定納期限の到来する月以前1年間、法定納期限が到来する国税について

●納税の告知を受けたことがない

かつ

●法定納期限後に納付したことがないこと(ずっと期限内に真面目に納めている)


この2つを満たせば

「法定納期限までに納付する意思があったと認められる場合」になります。

不納付加算税を計算する際の端数処理について

納めるべき源泉所得税の1万円未満の端数は切り捨てられます。

例えば、本税が105,000円だった場合100,000円に率をかけます。

全額が1万円未満だった場合その全体が切り捨て

つまり

不納付加算税はかかりません。

👉本税が1万円未満には不納付加算税はかからない

不幸にも1万円以上だった場合

率をかけて計算した不納付加算税の金額が、5,000円未満の場合その全額が切り捨てられます。

👉計算した不納付加算税が5,000円未満は不納付加算税はかからない

不納付加算税が課されないとき まとめ

◎過去一年間真面目に払い今回も1月以内納付

過去一年間に
納税の告知を受けていない
法定納期限後に納付したことがない

かつ

今回の源泉所得税を納期限後1月以内に納付している

・・・年一遅れはセーフみたいな感じですね

◎本税が1万円未満の場合

不納付加算税が5,000円未満の場合

源泉所得税 納付がおくれたらどうなる?まとめ

延滞税

日割りなのでとにかく気づいてすぐ納めることが重要

本税が1万円未満

又は

計算した延滞税が1,000円未満

⇒延滞税なし

不納付加算税

期間は関係なく1日でも遅れると課される

本税が1万円未満

又は

計算した不納付加算税が5,000円未満

又は

過去1年間に
納税の告知なし
すべての国税について法定納期限後に納付したことがない
かつ
今回1月以内に納付

⇒不納付加算税なし


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