自宅で開業し事業を営んでいる場合〜将来自宅を売却する場合の注意点

こんにちは。

和歌山市の女性税理士、内西です。

最近、暖かな日が続いておりましたが、昨日からまた冬らしい寒さになってきました。

コロナも全国的に増加傾向にあり、インフルエンザも流行っているとのこと。

手洗いうがいをしっかりして、感染しない様に十分注意しましょう!

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自宅を事務所として使うことのメリット

自宅を事務所とすると、例えば、

個人事業主であれば、自身が支払っている自宅にかかる固定資産税のうち、

事業に使用している部分について、

租税公課として、事業の必要経費に算入することができたり、

また、法人であれば、

代表者個人と法人で、賃貸借契約を結び、

法人が個人に支払った家賃に関して、

損金に算入することができます。

電気代、水道代、ガス代等、事業上使っている部分があれば、

実費分を、個人事業、法人の経費とすることができます。


このように、自宅を事務所として使うことは、

事業上、節税になります。

将来、その自宅を売却することになった場合

居住用財産を売却した場合には、

その売却益に対して3,000万円の特別控除を受けることができます。

・居住用財産の譲渡所得の特別控除(租税特別措置法35①)

個人が、一定の要件に該当する居住用財産である土地等又は建物等を譲渡した場合は、

譲渡益から3000万円控除し、

その控除後の金額に有利な税率をかけて課税されます。

・居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(租税特別措置法31の3)

個人が有する長期保有資産(その年1月1日における所有期間が10年を超えるもの)で一定の要件に該当する

居住用財産である土地等又は建物等を譲渡した場合には

その譲渡益に対し、

6000万円以下の部分 14.21%
6000万円超の部分  20.315%
・・・ともに、
所得税+住民税の税率

という有利な税率をかけて課税されます。

(3000万円の特別控除と併用可)


ところで、これらの特例を適用を受けるためには、

一定の要件があります。

自宅の一部を事務所として使っている場合、

これらの適用は受けられるのでしょうか?

特別控除や軽課の適用があるのは居住用部分のみ

居住用財産は居住の用に供している建物そしてその建物の敷地である土地のことを言います。

ですので、居住の用に供していない部分についてはこの特例を受けることはできません。

例えば、家屋の総床面積のうち1/4が事業用で使っている建物とその敷地を譲渡し、1000万円の利益が出た場合

全体が居住用であれば、3000万円の特別控除があるので、利益はゼロとなり、これに対する税金は発生しません。

ですが、1/4が事業用なので、利益の1/4には特別控除の適用はありませんので、

1000万円✖️1/4=250万円

250万円に対しては3000万円の特別控除の適用はありません。

250万円に税率をかけて所得税、住民税がかかります。

家屋の居住用部分がその全体の概ね90%以上ある場合はその全体が居住用

事業用で使っている部分が、家屋全体の概ね10%以下であれば、

その家屋と土地を譲渡した場合、

その全体が居住用とみなされ、

その譲渡全体に居住用財産の特別控除3000万円を適用することができます。

注意:家賃を払っているいないは関係ない

「事業で使っている」→「居住用に使っていない」→「特例の適用なし」

なので

「法人に貸しているけど家賃もらってないから特例使える?」

「個人の事業用経費に固定資産税の事業用部分計上してないから特例使えるでしょ。」

というふうに考えるのは間違っています。

あくまで、

「居住用に使っている部分」

に特例が使えるのですから、

家賃が発生していなかろうが、申告上、経費に入れていなかろうが、

実際、自宅のうち、事業として使っている部分には適用できません。


何%事業用に使っているかの客観的な証明として、

固定資産税の算入割合など、証明になろうかとは思いますが・・・

売る直前に10%以内に変更又は事業で使わなくするとどうなる?

では、売却すると決まってから、用途変更をしたらどうなるか?

建物に関しては、譲渡直前、転居する場合には転居直前の用途でこの規定の適用を考えます。

これに関しては、

例えば、20%が事業用に使っていた店舗兼住宅を、

譲渡直前に店舗を他に移しそして売却するとします。

その全体が居住用となるのではと思いますが、

この場合、この20%部分は居住用ではなく未使用と判定されてしまい、

結局、その土地建物の譲渡のうち20%部分については、

この居住用の特例は使うことができません。

いつなら居住用と判断してもらえるの?

では、売却前のいったいいつ頃用途変更をすると、未使用ではなく居住用と判断してもらえるのか?

国税庁の方では、売却前の最低でも1年 ということでした。

個人的に1年も未使用はないだろう・・・

と思わなくもないですが、

これに関し、明確な規定はありません。

大変気になるところですが、

3000万円の特別控除を全体に使いたいのなら、1年前から、

店舗を移すなり

事業使用部分を減らして10%以下にするなり

準備しなければいけませんね。



(注)このブログは、令和5年1月現在明らかになっているものについて解説しております。改正等あった場合には上記とは異なる事があります。

また、当ホームページに記載しております情報の正確性については万全を期しておりますが、 これらの情報に基づき利用者自らが税務申告や各種手続きをされた場合の税務上その他 一切の法律上の責任は保障することはできませんのでご了承ください。


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