個人が個人に時価より著しく低い価格で資産を譲渡した場合の課税関係
こんにちは!
和歌山市の女性税理士、内西です。
時価より著しく低い価額で資産を譲渡することを「低額譲渡」と言います。
低額譲渡は租税回避行為に利用されないよう税法では、通常の課税とはまた違った取り扱いをします。
個人同士の低額譲渡の場合、どういった取り扱いになるのでしょうか?
いくらで譲渡したら低額譲渡なのか(所得税法上)
棚卸資産以外の資産
時価の1/2未満の価額での譲渡で低額譲渡に該当します。
ただしその譲渡した資産が、棚卸資産だった場合、上記とは違ってきます。
棚卸資産
通常の販売価額の概ね70%未満の価額で低額譲渡に該当します。
棚ざらし、陳腐化などの原因の場合を除きます。
個人間の低額譲渡の具体的取り扱い
例
知人に時価1千万円の土地を400万円で譲渡した。
土地の取得価格700万円
時価の50%未満による譲渡のため「低額譲渡」に該当
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売り手
譲渡所得:400万円-700万円=△300万円→なかったものと見なす
👉つまり「安く売った自分が悪いから損はみてあげません」ということです。
買い手
贈与税:時価と実際払った金額との差額が贈与により取得したものとして贈与税がかかります。
1千万円-400万円=600万円→600万円の贈与があったとして贈与税がかかります。
👉つまり「得した分は贈与税」です。
贈与税はいくらか計算してみると
(600万円-110万円)×30%-65万円=82万円
お得な部分に贈与税が課され、譲り受けた方は82万円贈与税を納めなくてはなりません。
ここで注意が必要なのは、所得税法上の低額譲渡が時価の1/2未満の譲渡という定めがあるのに対し、贈与税のほうでは明確に低額譲渡に該当する金額を定めた条文がありません。
なので時価の1/2以上の価額で譲渡を行っても、譲り受けた方は時価との差額を贈与で取得したものとして、贈与税がかかってくる可能性があります。
ではいくらなら、贈与税において「著しく低い価額」とされないのでしょうか?
譲り受けた人に贈与税がかかることを避けたい場合はいくらに設定すれば・・・
過去の判例を見る限り、相続税評価額による売買は「著しく低い価額」とはいえないとした判決があり
よって、
「時価よりも著しく低い価額」
とは個人間の譲渡の場合
「相続税評価額」以下
であると考えられます。
結論
個人間の譲渡の価額は
相続税評価額を超える金額で行う
のが譲り受けた人を含めて無難
でしょう!!
注:棚卸資産はまた違う取り扱い
譲り渡した資産が、棚卸資産で、低額譲渡に該当する場合には取り扱いが変わります。
譲渡人(個人事業主)の事業所得の総収入金額に
低額譲渡した金額の他に以下の金額を計上することとなります。
通常の販売価額×70%ー販売価額
例
通常の販売価額100円 知人に50円で売った場合
総収入金額に計上する金額は?
50円
と
100円×70%ー50円=20円
合計70円計上
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