個人事業主・初めて人(他人)を雇ったその後~お給料から控除する源泉所得税の計算
こんにちは!
和歌山市の女性税理士、内西です。
このところ、春にしては寒いと感じる朝です。
4月2日は3月並の寒さになるそうで・・・
春に風邪は引きたくないですね。
気をつけましょう!
今回は前回の続きで、初めて人を雇い、給料を払う際に控除する源泉所得税の計算方法について書こうと思います。
ひとりだけの社員だし、社会保険に加入しているわけでもないし・・給料のソフトを導入するほどでもない。
手計算で十分。そのような事業主さんにむけての解説です。
何人もの社員のいる方は給与ソフトを使えば、機械が自動で計算してくれますし、間違いがありません。
給与ソフトがオススメです。
給与所得者の扶養控除等申告書
事業主さんは、従業員さんに「給与所得者の扶養控除等申告書」を渡して、書いてもらって下さい。
従業員さんは、その年の最初に給与の支払を受ける日の前日(中途就職の場合には、就職後最初の給与の支払を受ける日の前日)までに提出してください。
国税庁のHPに書き方のPDFがあります。
これを印刷して従業員さんに一緒に渡すといいでしょう。
書いてもらい預かった申告書は大切に保管しておいて下さい。どこへ提出するものでもありませんが、税務署が調査にきたときなど、提示する必要があります。
その従業員さんが、他でも働いている場合には、そのどちらか一方の(主に働いている)事業所にしか提出することができません。
もしも他の事業所にこの申告書を提出しているなら、書いてもらう必要はありません。
この申告書の提出が、あるかないかで、次の源泉所得税の金額が変わってきます。
毎月のお給料から預かる源泉所得税の計算方法
例
小売業を営む事業所とします。
従業員さん
・扶養親族:妻 共働きでバリバリのキャリアウーマン 扶養は外れている 令和4年も外れる見込み
子供 中学2年生(年少扶養親族⇐16歳未満の扶養親族のこと)
よって扶養親族の数は0人です。(尚、年齢はその年12月31日における年齢となります。)
・4月のお給料 220,000円 交通費5,000円
・雇用保険に加入しています。
控除する雇用保険料:675円(交通費込みの支給額×3/1000)
・従業員さんは、3月中に扶養控除等申告書の提出をしています。
源泉所得税の計算は次の冊子を見ながら計算します。
この税額表は、税務署に給与支払事務所等の開設の届を提出した場合には、納付書と一緒に送られてきます。
例は月給なので月額表を見ます。
月額表で、見るべき数字は以下2つ
❶その月の社会保険料控除後の給与等の金額
❷扶養親族の数
のみです。
例の場合
❶220,000円(交通費は非課税)▲675円=219,325円
❷0人
❶と❷の交わるところが
預かるべき源泉所得税です!
税額表のP2でその部分を探すと・・・
ありました!!
5,480円です!
4月分給料
225,000円▲675▲5,480円=218,845円
給与明細
支給額 220,000
交通費 5,000
支給額計 225,000
控除
雇用保険料 675
源泉所得税 5,480
差引支給額 218,845
👉おまけ
もしも従業員が副業で、扶養控除等申告書を提出していなければ❶と「乙欄」の部分との交わるところになりますので、いくらになるかというと
26,800円になります。高いですね・・
副業で20万もお給料のある方はあまりいないとは思いますが・・・
ところで、
預かった源泉所得税は、事業主の懐に入るわけではありません。
税務署にそのまま納付しなければなりません。
源泉所得税の納付書の書き方と納付
例
納期の特例の適用有り
4月分 交通費を除いた支給額220,000円 源泉所得税 5,480円
5月分 交通費を除いた支給額220,000円 源泉所得税 5,480円
6月分 交通費を除いた支給額220,000円 源泉所得税 5,480円
3ヶ月の支給額合計 660,000円 源泉所得税合計 16,440円とします。
この税金16,440円を7月10日までに銀行等で納付する必要があります。
納付する方法は他にもありますが、納付書で、銀行や郵便局、税務署で納付する方法を書きます。
納付書の書き方さへ覚えれば、銀行等に行き納めるだけです。
先の冊子に納付書の書き方が記載されています。
例の場合・・・
整理番号や住所氏名は税務署から送られてくる納付書に印字があるかと思います。
印字のある納付書が欲しい場合、税務署に電話をすれば、用意してくれます。
用意してもらいましょう!!
まとめ
人をひとり雇うだけでも事務が増えます。
家族ならともかく他人様のお給料ですから、きっちりしておかないともめる元になります。
従業員が増えてきたら、給与ソフトを導入していきましょう。
給与ソフトですと、給料の源泉や雇用保険、社会保険の加入の場合にはその保険料を(設定は必要ですが)自動で計算してくれます。設定さへ間違っていなければ、正しく計算されます。
また、MFクラウドなどのクラウド会計ソフトだと、個人の場合、給与計算ソフトも会計ソフトに付属していて(従業員6名分からは従量課金になっていますが・・・)、お給料の計算もできるうえ、お給料の仕訳を、自動で取り込んでくれます。
楽です。
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