「クラウド会計で税理士不要 理解しなくても自動的にできる」は正しいか?~客観的に税理士が考えてみた

こんにちは!和歌山市の女性税理士、内西です。

今回は「クラウド会計を利用して自分で申告すること」について書こうと思います。

まず、クラウドって何?というところから、調べているとわかりやすく書いてるサイトがありました。

クラウドって何?

クラウド(クラウド・コンピューティング)は、コンピューターの利用形態のひとつです。インターネットなどのネットワークに接続されたコンピューター(サーバー)が提供するサービスを、利用者はネットワーク経由で手元のパソコンやスマートフォンで使います。
 クラウドの特長のひとつは、利用にあたって、コンピューター(サーバー)の所在地(どこ?)が意識されない点です。たとえるならば、雲(クラウド)の中にあるコンピューターを地上から利用しているようなイメージです。そして、クラウドの形態で提供されるサービスを「クラウドサービス」と言います。
(NEC HP:クラウド入門より引用)

 この「クラウド」の普及により、これまでは何かのシステムを利用するのに、ハードウェアを購入したりソフトウェアをダウンロードしなければならなかったのですが、ハードウェアやソフトウェアをクラウド上に一つ置くことで、各利用者がそれらを購入しなくても、外部からインターネットを通じてアクセスすることで利用できるようになりました。

 ハードウェア、ソフトウェアを購入しなくてもいい分、クラウドサービスは安価になっています。またソフトウェア等を購入するとアップデートなどの更新があるとき、これまでは各自で時間をかけて更新しなければいけなかったものが、クラウドサービスでは自動的に行われるので何もする必要がありません。手間も必要ないのです。安価で手間なし、ここがクラウドの人気のポイントでしょう。

 最近は音楽もクラウド化しています。好きな曲をCD屋さんに行って購入するのではなく、「サブスク音楽配信サービス」という、毎月一定額を支払うことで音楽の配信を受け、その中から好きな曲を何度でも聴くことができるという形態に変わってきています。サービスによってばらつきがありますが、7,000万曲をスマホで一カ月聞き放題 @980円/月 など。このような定額制のサービスは以前からありましたが、今は主流になっています。好きな曲を1カ月間何種類でも何度でも聴ける、幅広く色々なジャンルの曲をたった980円で聞き放題。CDだと買ってしまえば、そこに入っている曲だけです。別の曲をもっと聴きたいときには、また購入しなければなりません。
 ですが、この定額制の音楽配信サービスは、定額を支払えば新しい色々な曲を聴くことができます。飽きたら次へ次へといくらでも別のものを聴くことができます。じっくり曲を聴くよりも音楽も使い捨てのようなものなのでしょうか?流行曲も日々変わっていきます。消費者は常に新しいものを求めています。この消費者のニーズに音楽配信サービスはぴったりはまったのでしょう。

 会計ソフトにもクラウド型があり、急成長しています。有名なものは、Freee、マネーフォワードなどがあります。起業して間もない小規模な会社など、自分で会計処理をして申告される方が一定数いて、クラウド型の会計ソフトを利用する方が増えています。簿記の知識がなくても入力できるように作られているので使いやすく安価で好まれているようです。

 コロナ禍で、影響を受けて売上げが下がり、税理士費用の節約のため自分で申告する方がいる中をクラウド会計がそのニーズのあったものを提供しているのだと思いますが、中には「税理士不要」を宣伝にしているものもあります。

 確かに、現在は税務の知識もネットの普及により簡単に無料で手に入れることができ、高額な税理士費用を払わずともできるかもしれません。税理士による無料の相談窓口もあれば、税務署に直接聞くこともできます。努力をすれば税理士を通さずに自分で申告することができます。

 「税理士不要」は嘘ではありません。規模にもよりますが、複雑な税務知識を必要としない小規模な利益の上がっていない個人事業者など、ネットの知識で十分で分からないところは無料相談を利用すれば大丈夫でしょう。個人事業者の税務調査は法人に比べれば少ないうえ、消費税の免税事業者であれば、利益があまり出ていないようなところはまず調査の可能性は低いといえます。節税できていなくて多めに払う税金よりも税理士の顧問料のほうが高い場合が多いです。

 しかし「税理士不要」を謳い、「理解していなくても自動でできる」と宣伝しているものもあります。

 理解していないのにできるでしょうか?将来税務署が調査にきたときこの姿勢で臨んできた納税者の方は困るのではないでしょうか?そう考えると、この宣伝文句は悪質だなと思います。

 一定の規模以上で消費税の課税事業者ともなれば、自分で申告するには努力して最低限の知識をつけなければなりません。時間も必要で精神的負担もありますし、不安もつきまといます。

 その時間、精神的負担、不安を軽くするため、安くはない報酬を支払ってでも顧問税理士を選ぶ方がいらっしゃるのでしょう。

 

 宣伝文句は悪質なものは税務関係に限らず世の中あふれかえっています。偽物と本物が入り交じり上手に取捨選択していかなければなりません。

 私事ですが、以前洗濯機の排水が詰まりました。水回りのトラブルで有名なマグネットを配っている某業者に電話したところ、すぐにきてくれ見てくれましたが、「配水管全体が詰まっています!直ちに高圧洗浄をしないとキッチンもお風呂も詰まるでしょう。見積もった結果値引きさせてもらっても7万円必要です!!」といわれ、なんだか怪しいと思い、別の業者にも連絡し見てもらったところ、なんと排水トラップにゴミがたまっていただけで、ゴミを取り除いてお金も取らずに帰られました。排水トラップの存在をその時初めて知りました。その後、洗濯機もキッチンもお風呂もなんの不都合もなく流れています。

 無知は格好のカモになりますね・・

 こんな自分は一定の規模以上のところについては自分で申告することはあまり推奨していません・・・危険かなと思います。

私個人の結論を言えば、小規模な個人事業者で、消費税の免税事業者であれば、記帳指導や、商工会、青色申告会等に入会してセミナーを受けて知識をつけることで、自分で申告することがおすすめ、小規模なひとり社長の会社で報酬も取っていないのに赤字の会社に関しても、経理の知識がある程度あり会計ソフトを使えるのであれば、自分で申告することが可能なのではと思います。法人になると税務処理が煩雑になりレベルが高くなります。消費税の納税義務者であれば、更に申告書も増えます。・・・ということで、あまり推奨はしておりません。

が、是非やってみようという方、当事務所で記帳指導しております。

詳しくはコチラ ⇒ 当事務所の特徴

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