報酬の支払調書に内書きの源泉所得税がある場合の恐怖~還付の場合届出を提出しないと還付されない!

こんにちは。

和歌山市の女性税理士の内西です。


外注扱いで会社から報酬をもらっている方は、そろそろ支払調書を受け取る時期ではないでしょうか?


その支払調書、確定申告をするのに大切な書類になるかと思いますが、下のように内書きに数字が入っていませんか?


国税庁給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引きより


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内書きの意味

この二段書きになっている200,000円の報酬とそれにかかる8,168円の源泉所得税にはどのような意味があるのでしょう?

上記の支払調書の説明です。👇👇

国税庁給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引きより

これによると支払調書を作成した時にまだ国税三郎さんに支払われていなかった報酬ということになります。

まだ支払われていないけれど、支払われることが確定している金額ということです。


この三郎さんが確定申告をするときに例えば所得税が全額還付になったとしましょう。



申告書を提出し、しばらくたつと、還付金受取口座に源泉所得税98,016円が入金されるはずです。

未だ未納の源泉所得税は還付してもらえない

しかし口座を見てみると89,848円しか入金されていません。

98,016円△8,168円=89,848円

そう、内書きの源泉所得税8,168円が返してもらえていないのです。

○○販売が支払調書を作成したときに、まだ三郎さんに報酬を支払っていない場合、200,000円の報酬にかかる源泉所得税8,168円は、支払側の株式会社○○販売さんにおいては預かっていません。

税務署側は、まだ○○販売さんが預かってもいない8,168円の源泉所得税を、三郎さんに返すことはできません。

この場合三郎さんのほうから税務署に

「未払いだった200,000円の報酬については、8,168円源泉徴収されて、○年○月○日に支払われました」

ということをお知らせしなければいけません。

知らせて初めて残りの8,168円が還付されることになります。

源泉徴収税額の納付の届出

8,168円の源泉所得税が支払われたということを税務署に知らせる届出を

「源泉徴収税額の納付届出書」

といいます。

この届出を、報酬が支払われ源泉徴収された後「遅滞なく」提出します。

三郎さんの未払の報酬が令和4年1月10日に支払われた場合以下のような記載になります。

提出日、税務署名、報酬が支払われた方の住所、氏名、個人番号 還付を受ける金融機関の記載を忘れずに。

押印はいりません。

国税三郎さんの場合の数字等の記入は以下のようになります。

e-Taxソフトには帳票がありませんでした。

税務署に紙で提出しましょう。

郵送でもいいですし。

税務署への提出時や郵送の場合は、本人確認書類が必要になってきます。

本人確認書類の提示又は写しの提出

窓口では提示 郵送ではコピーが必要です。

国税庁HPより

郵送の場合、マイナンバーカードをお持ちの方は表面と裏面の両方のコピーが必要です!!

マイナンバーカードのコピーだけでいいのですが、両面のコピーがいりますので、気をつけましょう。


マイナンバーカードをお持ちでない方は、2種類の書類のコピーが必要になります。

面倒ですが、きっちり用意して封筒に入れましょう。

届出書の控えをとっておくのも忘れないようにしましょう!

参考
国税庁サイト👉未納付の源泉徴収税額に対する還付手続

あとがき

ただの内書きと侮ってはいけません。還付の場合には届出書を提出しないと返してもらえません!!

報酬だけではなく年金や給料の源泉所得税があったりするとなかなか還付されていないことに気がつかないことがあると思います!

気づきましょう!


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