自宅の一部を自分が代表を務める会社に無償で貸す~税務上どうなる

こんにちは!

和歌山市の女性税理士、内西です。

会社を設立し、社長の持ち家の自宅の一室を無償で借りて事務所として使っている。

会社を設立したときは経費をできるだけ節約するためこういったことはよくあると思います。

・・・これって税務上大丈夫なの?と不安に感じたことはないでしょうか?

なんの問題もない

結論はなんの問題もないのでそのままでどうぞ。ということなのですが・・・・

なんだか理解できるようで理解できません。

理由を説明します。

なんの問題もない理由

例えば、相場1ヶ月5万円の賃料を支払わねばならないところを無償で個人から借りているとしましょう。

そうすると法人は5万円、得をしていることになります。

貸方に受贈益5万円がたちます。

ですが、支払うべき地代家賃があるので同時に借方に5万円の地代家賃がたちます。

結局、

地代家賃 5万円 / 受贈益 5万円

となり、互いに相殺されて、税務上何も問題がないということになります。

無償で法人に貸している個人には税務上問題はないのか

結論はなんの問題もありません。そのままどうぞ。ということなのですが・・・

この場合無償で貸すということなので問題はありませんが、無償で貸すのではなく贈与(タダであげること)した場合、大きく事態が変わってきます。

無償で法人にものを譲り渡した場合どうなる?(法人に対する贈与)

例えば、個人が、法人に、個人の持ち物を贈与(無償で所有権を移転すること)した場合には、所得税法59条のみなし譲渡が適用され、ものを引き渡した個人側には、みなし譲渡課税が行われます。

わかりにくいので例を挙げます。

個人がその代表を務める法人に自分の所有する車(時価1000万円相当)(贈与した時点の取得費800万円 所有期間2年)を贈与したとします。

個人側

個人にはみなし譲渡の規定が適用され、時価で車を法人に売ったとみなされます。

個人:1000万円ー800万円=200万円・・・・譲渡益

ここから50万円の特別控除を控除した金額150万円が他の所得と合算され総合所得として課税されます。

ほう・・と普通に読んでしまいますが、自分が当事者ならばとんでもないことです。

「ものをあげたのに、税金まで払わされるなんて・・・!!」

にわかに信じがたいですが、これは事実です。

法人側

無償で役員から車を譲渡された会社は

無償であってもみなし譲渡の規定により法人は時価の1000万円で車を取得したことになります。無償でもらっているので、同額の1000万円が受贈益となります。

車両運搬具1000万円 / 受贈益 1000万円


このように社長が、自分の会社に土地や建物を無償で貸すのであれば、なんの問題もないのですが、

社長が、自分の持ち物を会社に無償で引き渡してしまうと、とんでもないことになります。

社長:タダで渡した資産の時価を譲渡対価とする所得税のみなし譲渡課税

会社:タダでもらった資産の時価相当額の受贈益に法人税課税

同じ無償でも会社にタダでものをあげてはいけませんね!!

最終結論

会社に無償で貸してもいいけどタダであげてはダメ!




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