相続により先代の事業を引き継いだ場合〜事業用固定資産の減価償却方法
こんにちは。
和歌山市の女性税理士、内西です。
相続により、先代から相続した事業用の固定資産をそのまま事業の用に供した場合、
事業を引き継ぐ相続人は、その固定資産をどのように減価償却していくのでしょう。
相続により取得した資産の場合、通常購入した場合に比べて少しばかり特殊な取り扱いをします。
取得時期・取得価額
相続により取得した資産については、被相続人のその資産の
取得時期
取得価額
を引き継ぎます。
減価償却方法
先代(被相続人)の減価償却方法を引き継ぐ必要はなく
相続人が選定した減価償却方法によります。
相続人が、税務署に何も減価償却方法の届出をしていない場合には
定額法
によることになります。
中古資産になるけれど
中古資産の取得による固定資産の耐用年数は、見積耐用年数によることとされていますが、
相続により資産を取得した場合には
取得価額
取得時期
を引き継ぎますので
この規定は無視することとなります。
つまり、被相続人が使っていた耐用年数で引き続き減価償却していくことになります。
平成19年以前に取得した店舗~旧定額法?
平成19年以前に取得した店舗(建物)については、
旧定額法
を使います。
平成19年の税制改正で、定額法については残存価額1円まで償却できるようになり、
償却方法もとてもやりやすくなりました。
なので、それまでの定額法は「旧定額法」と名前が変わりました。
旧定額法の償却方法はこちらブログ参照
👇👇
取得時期を引き継ぐとのことなので、
もしも、被相続人の店舗の取得時期が平成19年以前で、
相続での取得が令和4年であっても、
「旧定額法」
による償却になるのでは・・・
と思うのですが、
実は
取得時期は引き継ぐにもかかわらず、償却方法は「定額法」でいいことになっています。
これについては、所得税基本通達49-1に
説明があります。
平成19年4月1日以後に取得した建物の減価償却の方法は、定額法とされ(所得税法施行令第120条の2第1項第1号)、この「取得」には、相続、遺贈又は贈与によるものも含まれます。(所得税基本通達49-1)
と、いうことで、
償却は、定額法でいいことになります。
やりやすい
先代の事業用店舗を相続で取得した場合
先代の取得が平成19年以前でも
旧定額法ではなく、改正後の定額法での償却でよく
取得価額はそのままで
取得時期を引き継ぐ
ということですから、
取得価額、取得時期、耐用年数、残存価額
全て、被相続人のものを引き継ぎ
償却方法だけ、定額法にすればいいということになります。
旧定額法の時のように
残存価額が5%以下になっていないかのチェックがいりません。
簡単です!!
また、中古資産の取得ですが、見積耐用年数を計算する必要もありません。
単純です!!
相続により事業用固定資産も引き継ぐ場合は、減価償却に関しては
やりやすい
ですね!
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