中古車オークション・会員になるにはインボイスの登録が必須に?〜媒介者交付特例が関係

こんにちは。

和歌山市の女性税理士、内西です。

連日最高気温が、人間の体温越えとの報道がされています。

7月の最高平均気温は観測が始まって以来、過去120年の中で45年ぶりに記録を更新したとか・・・

和歌山市では、8月6日からの週は、南の台風の影響もあってか雨予報ですが、

最高気温は連日35度近いです。(といっても雨が降った方が涼しいです。)

学校の部活動の時間や場所など、これまで通りでは、命にかかわるのではないでしょうか?

学生が、部活動の最中に熱中症で命を落とすような出来事を聞くと胸が痛みます。

外に出ると日差しが体が焼けるように暑く、

アラブの国の人たちが被っているような被り物(女性のものはヒシャブと呼ぶらしい)をしたくなります。

全身を太陽から隠す方がまだ生きた心地がします。

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さて最近のニュースはというと、中古車専門店ビッグモーター。

保険金の不正請求から始まり、

社員からの告発などで、

街路樹に除草剤など、

様々な問題が指摘されていますが、

今回は、この中古車業界に関する、

中古車オークションについて書こうと思います。

中古車オークション

オークション会場では、

中古車の出品や中古車の購入を会場の運営者を通してセリで行います。

小規模な中古車販売店では、

お客様から中古車を買い取った場合や、

逆に、お客様から特定の車種の中古車の注文があった場合など、

自力で買い取った中古車を販売したり、

中古車を探し出して購入するのはなかなか難しく、

オークション会場を利用することが多いと言います。

このような販売店だけでなく、

個人で主に修理業を営んでおり、

お客様から中古車の注文があった場合だけ利用するようなケースもあります。

このオークション会場ですが、

「利用する事業者様はインボイスの登録をしてください」との通知が利用者に行っているそうです。

免税事業者で、インボイスの登録を行わない事業主は、

インボイス制度がはじまる2023年10月からオークション会場を利用できなくなります。

その理由は「媒介者交付特例」

一体どうしてなのでしょうか?

オークション会場はどうしてインボイスの登録事業者のみしか利用を認めないのでしょう?

これには、インボイス制度の「媒介者交付特例」が関係していると思われます。

「媒介者交付特例」とは?

例えばAさんがBさんに自分の商品を売ってくれるように委託したとします。

そしてBさんはCさんに商品を売りました。

この時、BさんはCさんにお金をもらい領収書(インボイス)を発行します。

この領収書について、

原則は、

委託者Aが購入者Cに領収書を発行します。

ですがこれは、面倒です。

そこで、このような委託販売には2通りの発行方法が認められています。

❶領収書(インボイス)をAさんの名前でBが発行する

❷領収書(インボイス)をBさんの名前で発行する

この2通りが考えられます。

❶は「代理交付」

❶の場合BさんがAさんの代わりにインボイスを発行しているので、

「代理交付」と言います。

この場合、

Bさんはインボイスの登録事業者ではなくても、

Aさんが登録事業者であれば、

インボイスを「代理」で発行することができます。

❷は「媒介者交付特例」

❷のことを「媒介者交付特例」と言います。

この場合、

A B ともにインボイスの登録事業者でなければこの特例は使えません。

媒介者交付特例を使うケースを考えてみる

この特例を使わなければ、領収書発行が煩雑になるケースを考えてみます。

例えば

Bさんがたくさんの人から商品の販売を頼まれているケースで、

商品を売った際、その商品の販売を委託したのは誰かを管理するのが難しい時に使われます。

Bさんが、

さまざまな委託先から販売を頼まれた種々の商品合計100個、Cさんに販売した時、

100個の商品の委託先をピックアップし、

委託先ごとに集計して何枚も領収書を発行するのは至難の業です。

Bさんの名前で一枚の領収書を発行する方がはるかに手間がかかりません。


中古車オークション会場について考えてみる

先ほどの例で、

A Cがオークションを利用する事業者 

Bがオークションの運営者としましょう。

Bは事業者Aから中古車の出品を受けます。

その中古車をオークションで別の事業者Cに売ります。

原則の方法であれば、

出品者が購入者にインボイスを発行する必要があります。

とても面倒です。

オークションは、委託販売になりますので、

代理交付、媒介者交付特例が使えます。

もし売ったときに発行する領収書が❶の「代理交付」であればどうなるでしょう?

誰から出品されたものなのか、すぐわかるように管理しなければなりません。

インボイス登録事業者ならインボイス登録番号も必要です。

全てシステムで出品する中古車と出品者情報を関連付けて登録しておかなければ領収書が発行できません。

❷の「媒介者交付特例」を使えば、管理ははるかに楽になります。

オークション運営者の名前で領収書を発行するだけです。

ですが、この特例を使うには、

A Bがともに登録事業者でなければなりません。

よって、オークション会場では、運営者がこの媒介者交付特例を使いたいために、

登録事業者以外の立ち入りを禁止したのだと思われます。

C(購入者)は登録事業者ではなくてもいいですが、

オークションは事前登録の会員制で、

会員になると、

売る(出品する)ことも

買うこともできるので

利用するすべての人に登録を求めているのでしょう。

免税事業者が排除される

オークションに出品する事業者には、

中古車の売却を頼まれて、

手数料稼ぎに利用している個人事業主もいるかと思われます。

免税事業者のままではオークションに参加できなくなるため、

これまで消費税とは無縁だった免税事業者も消費税を納める必要が出てきます。

小規模な事業主にとっては、大変な時代になってきます。

登録事業者を増やしたい 免税事業者を守りたい どちらに向かうのか?

インボイス制度を導入し、

登録事業者を増やし、消費者から預かった消費税を国に納付してもらえるようにする。

けれど、免税事業者だった事業者にいきなり消費税の負担は大変なので、

向こう3年間の期限付きで、

2割特例

という

消費税の納税額が少ない経過措置をつくりました。

これを作ることで、なるべく多くの免税事業者に登録してもらうことが目的です。

ですが一方、

免税事業者からの仕入れであっても、

仕入れた企業は、全額控除できないのではなく、

向こう3年間は、

仕入れた商品の消費税の80%控除することを認める経過措置も作っています。

これは、

免税事業者が、免税事業者でいても取引から排除されない目的で作られたものです。


2割特例は、免税事業者に登録してもらいたい

80%控除は、免税事業者のままいてもいいよ

という方向の2つの経過措置。

今後、どちらに向かって進んでいくのでしょうか?

と、疑問に思いました。


(注)当ホームページに記載しております情報の正確性については万全を期しておりますが、 これらの情報に基づき利用者自らが税務申告や各種手続きをされた場合の税務上その他 一切の法律上の責任は保障することはできませんのでご了承ください。




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