給与収入850万円超の方・年末調整で受ける所得金額調整控除の注意点

こんにちは!

和歌山市の女性税理士、内西です。

秋も深まり、岐阜県のウイングヒルズ白鳥リゾートでは

11月3日にスキー場がいち早くオープンしたとか。

このところ、暖かいのでピンときませんが・・・

さてこの時期になると、そろそろ年末調整の準備にかかる事業主さんや

お勤めの方では、年末調整の書類が配られはじめる頃だと思います。


お勤めの会社で年末調整を受けられる方には以下の書類が配られます。


・扶養控除等申告書(令和4年分と令和5年分)

・基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書

・保険料控除申告書


・・・どうだったっけ、と昨年の書いたもののコピーなどを探してみたりしますよね。

今回はこの書類の中の長い名前の申告書

「基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」

の中の

基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書

(上記の黄色の部分)

について書こうと思います。

どこにあるの?

この一枚の申告書には3つの控除の申告書

・基礎控除申告書

・配偶者控除等申告書

・所得金額調整控除申告書

がみっちり詰まっております。

わかりにくいのですが

所得金額調整控除申告書は一番下にあります。


所得金額調整控除とは

令和2年分から導入されました。

内容

国税庁HPには以下の記載があります。

※次の子ども・特別障害者等とは

・納税者本人が特別障害者

・特別障害者である同一生計配偶者もしくは扶養親族を有する者

・23歳未満の扶養親族を有する者


このように所得金額調整控除は2種類の控除があり

「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」

は年末調整でも受けることができ(もちろん確定申告でも受けることができる

「給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除」

は確定申告で受けることができます。


年末調整で配られる申告書は

「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」

についての申告書になります。

給与収入(手取りじゃない)が850万円超の方というのが大前提になってきます。

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そもそもどうして創設されたのか

なぜ所得金額調整控除が導入されたのでしょう。

令和2年度から基礎控除額が38万円から48万円に引き上げられたことは記憶に新しいかと思います。

全てこの改正が発端になっています。

基礎控除額が引き上げられたことで、給与所得者が必ず受けることができる「給与所得控除額」が10万円引き下げられました。

これにより、給与所得者は基礎控除額の10万円増加と給与所得控除額の10万円減少でプラスマイナスゼロで何一つ税金は変わらないと思われるのですが、

これに加え給与所得控除額の上限が195万円に引き下げられたことで

給与収入850万円超の方については増税になりました。

ですが高所得者のうち子育て世帯や特別障害者を有する世帯の場合には

配慮が必要とのことで

増税の影響を緩和するために所得金額調整控除が新たに設けられました。

いくら控除されるのか

{給与等の収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円) - 850万円}×10%=控除額※

※1円未満の端数があるときは、その端数を切り上げます。


850万円を超える収入の1割が、給与所得から控除されます。

注意点

この申告書の記載だけでは分かりづらいのですが

この控除、例えば夫婦ともに給与収入が850万円を超えているとき、

扶養控除のように同一生計内のいずれか一方のみの所得について適用するといった制限がありません!!

扶養している子供が(合計所得金額48万円以下)いる場合に受けることができます。

どちらの扶養に入っていようが関係なく

夫婦揃って、この所得金額調整控除を受けることができるので

該当するかたは

記入を忘れないようにしましょう!!

うっかり記入を忘れて年末調整で受け損なった又は2カ所以上の給与合わせて初めて850万円超になる方

年末調整で受け損なった場合や

一カ所では850万円以下だけど、

二ヶ所合わせると給与収入が850万円を超えるといった方、

確定申告することで

「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」

を受けることができます。

国税庁の確定申告コーナーで申告される方、

例えば

夫の扶養控除に入っている23歳未満の子がいるといった妻の場合

確定申告コーナーの入力画面のどこの場面で

「所得金額調整控除」

を入力するのでしょう?

子供は自分の扶養控除に入れるわけでもないし・・・

受けられないのか!?

と思わず焦ってしまいますが、

実は

「扶養控除」

の入力の場面でさりげなく調整控除について入力するところがあります。

確定申告コーナーでの所得金額調整控除の入力方法を解説してみる

同一生計内の夫の扶養に入っている子 あり

子の名前:宇佐 ラビ

生年月日:平成15年1月1日

申告者とは別居


以下、国税庁の確定申告コーナー令和3年分の入力画面です。

給与所得について源泉徴収票をもとに入力した後

所得控除に進みます。

ここで上の方に所得金額調整控除についての記載があります。


アップします。


障害者控除 配偶者控除 扶養控除 の入力画面を確認して下さいとの指示が


今回は扶養親族を有するということなので

扶養控除のボタンクリック



扶養控除を受ける扶養親族ではないので、扶養親族についての入力ではありません・・

しかしその下に気になる記載があります。


まさに申告される方以外の控除対象になっている扶養親族なので「はい」を選択

順に進めていきます。



入力後「入力内容の確認」クリック


因みに別居であっても生計が同じであれば受けることができます。


間違っていないか確認します。

確認し「次へ進む」をクリック




無事入力できました。



所得金額調整控除を受け忘れている方 還付申告 又は 更正の請求ができる

確定申告義務のない給与所得者の還付申告は翌年1月1日から5年間できます。

(令和3年分の確定申告なら、令和8年12月31日まで)

確定申告義務のある方については、確定申告の法定納期限から5年間

「更正の請求」をすることで納め過ぎた所得税の還付を受けることができます。

(令和3年分の確定申告なら、令和9年 3月15日まで)


確定申告義務のない方が、既に医療費控除等の還付申告をした場合の申告について還付の請求を行う場合には

「更正の請求」によって所得税の還付を受けることができます。

この場合の請求の期限は

「還付申告書」を提出した日から5年間となります。

ややこしいですが、注意して下さい。


それぞれ微妙に申告期限か違います。

気づいたらギリギリまで待たずにすぐしましょう!!


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