個人が個人に時価より低い価格で資産を譲渡した場合の課税関係
こんにちは!
和歌山市の女性税理士、内西です。
個人間で、時価より著しく低い価格で資産を譲渡すると、
危険です。
今回は土地という資産を、著しく低い価格で譲渡した場合を取り上げます。
土地を譲渡された人は、時価と譲渡対価との差額を、
贈与により取得したものとみなされます。
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時価との差額が贈与になる
父が子に以下の土地を 900万円で譲渡したとします。
時価 2000万円
相続税評価額 1600万円
取得価格 1500万円 取得時期 10年前
父は子に土地を譲渡してますから譲渡所得が発生します。
父の譲渡所得
900万円ー1500万円=△600万円
子は父より時価との差額を贈与により取得したとみなされます。
子の贈与税の計算
2000万円ー900万円=1100万円(贈与によって取得したとみなされる)
(1100万円ー110万円)✖️30%−90万円=207万円
さらに、
父の譲渡所得の計算で600万円損失が出ていますが、
時価の1/2未満の対価で譲渡した場合で、損失が出ている場合、
その損失はなかったものとみなされます。
2000万円(時価)✖️1/2=1000万円>900万円(譲渡対価)
まさに時価の1/2未満の対価で譲渡して損失が出ているので、
この損失はなかったものとされます。
もし利益が出ていれば課税されます。
損失がなかったものとみなされた場合、
子は900万円支払ってこの土地を取得していますが、
子はこの土地の父がこの土地を取得した取得時期と取得価格を引き継ぎます。
取得時期は10年前
取得価格は1500万円
になります。
もし父に利益が出ていれば、
取得時期は父から譲渡された日になり、
取得価格は900万円になります。
土地の場合いくらで著しく低い価格になるのか?
実は明確な決まりはありません。
土地の場合、
相続税の課税価格と同じくらいの価格未満の場合、
時価のと差額を贈与により取得したとみなされます。
譲渡する相手が余計な税金を支払うことのないよう、
「相続税評価額」
で譲渡すれば安全です。
この場合、
譲渡した人に
譲渡所得が発生するだけで、
みなし贈与は発生しません。
先程の例で、
父が子に1600万円(土地の相続税評価額)で、
土地を譲渡した場合
父の譲渡所得
1600万円ー1500万円=100万円
長期譲渡所得になるので
100万円の
15.315%の所得税 153,100円
5%の住民税 50,000円
が父にかかります。
先程の例で、
単に父が子に土地を贈与すると、
子は贈与税が発生します。
子の贈与税の計算
(1600万円(土地の相続税評価額)−110万円)✖️40%ー190万円=406万円
父が特にお金が入り用でないならば、
贈与にする方が、
子供の支出額は、単なる贈与が一番少なくなりますね。
(注:相続時精算課税制度等のその他の制度のことは考えていません。)
結論
個人間の譲渡の価額は
相続税評価額を超える金額で行う
のが譲り受けた人を含めて無難
でしょう!!
注:棚卸資産はまた違う取り扱い(個人事業主)
譲り渡した資産が、棚卸資産の場合、取り扱いが変わります。
この場合は、販売価格の70%未満で譲り渡した場合、
譲渡価格から販売価格の70%達するまでの金額を
譲渡人(個人事業主)の事業所得の総収入金額に追加で計上することになります。
👇 👇
通常の販売価額×70%ー販売価額
例
通常の販売価額100円 知人に50円で売った場合
総収入金額に計上する金額は?
50円
と
100円×70%ー50円=20円
合計70円計上
となります。
(注)当ホームページに記載しております情報の正確性については万全を期しておりますが、 これらの情報に基づき利用者自らが税務申告や各種手続きをされた場合の税務上その他 一切の法律上の責任は保障することはできませんのでご了承ください。
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