会社員の副業収入300万円以下で雑所得〜所得税基本通達改正案・改正されると適用は令和4年分の申告から

こんにちは。

和歌山市の女性税理士、内西です。

残暑厳しいですが、ようやくここ最近朝夕の涼しさが感じられるようになりました。

秋が近づいてきています!少し涼しくなってくると、夏の疲れが出てきますので注意です。

かくいう自分も昨日はお茶を早く冷やそうと冷凍庫に入れて出すのを忘れ、カチカチになってしまいました。


 

さて、国税庁が、8月に所得税の基本通達の改正案を公表しています。

会社員で副業をしている人の副業収入が300万円を超えない場合は事業所得ではなく雑所得

国税庁は、副業の所得を開業届を提出し、

事業所得として申告することで

税のさまざまな有利な規定を使う「副業節税」を阻止するのが狙いのようです。 

事業所得として申告する場合 

利益があるとき 

青色申告者として税務署に届け出ている場合、

記帳方法などによって、

一定の条件のもと青色申告特別控除の10万円から65万円の控除を受けることができる。

青色申告専従者給与の必要経費算入などの特典がある。白色申告者でも事業専従者控除などがある。 

赤字のとき 

 事業所得以外の所得(給与所得、年金など)から事業所得で生じた損失の金額を控除することができる。

また、青色申告者の場合、損益通算しても控除しきれなかった損失の金額があるときは、

翌年以後3年間損失の繰越控除を受けることができる。

毎年確定申告をしていることが必要。 

雑所得として申告する場合 

利益があるとき 

 青色申告者の特典なし。専従者控除なし。 

赤字のとき 

 他の所得区分との通算不可。そのまま切り捨てられる。ただし、雑所得内での通算はできる。(年金収入など) 

副業を事業所得として申告するメリット 

このように黒字が出た場合、

各種届出を提出していれば

青色申告特別控除や青色事業専従者給与を必要経費に算入することができ、

雑所得に比べてかなり有利な取り扱いになります。 

また、赤字が出た場合には、

本業の給与所得などと損益通算し、所得の圧縮をすることができます。 

8月29日付の日本経済新聞によると、

給与所得者で副業をしている人でその副業の所得を事業所得として申告している人が一定割合いるのだそう。

この改正案に対し、パブリックコメント(意見公募)を実施したところ通常せいぜい100件ほどの意見にとどまるが、

今回26日までに寄せられたコメントの数は4000件以上にのぼり、意見の大半が改正反対の意見という。 

それだけ副業を事業所得で申告している人が多いということでしょう。 

事業所得と雑所得を区別する明確な規定なし 

副業を事業所得で申告することが違法であるのかというと、

そうとも言えず、

事業所得と雑所得の区分が非常に曖昧であり、「収入の状況を総合的に判断」して決めるというふうになっているのです。

今回の改正案で「収入300万円以下は雑所得」と取扱いを示したことで納税者側も迷うことなく申告できます。 

副業収入300万円以下でいかなる場合も雑所得になるのか?

パブリックコメントが多く集まっていることでこの改正案への関心の高さが窺えますが、

単なる反対というよりも、

会社で働かなければならない状況にある人など、さまざまなケースがあるからでしょう。

コロナ禍で事業が芳しくなく、生活ができないために会社員として働いている方もいるでしょう。

事業がもう少し上向いてきたら、あるいは開業したばかりで食べていけるようになったら会社を辞めようと思いながら会社員でいる人もいるでしょう。

農家である実家の家業を継ぎながら、会社員として働いている方など多いのではないでしょうか? 

これらのケース全て、事業所得が300万円以下であれば、雑所得になってしまうのでしょうか? 

反証があれば収入300万円以下でも事業所得での申告が認められる

「特に反証(納税者側の証明など)がない限り、雑所得と取り扱って差し支えない。」

と改正案にはあります。

これは納税者本人が、事業所得であることを明確に証明できれば事業所得として取り扱われるということです。

事業収入では生活ができないため、開業したばかりのため収入が上がっていない場合などはこの「反証」にあたるようです。

確定申告の時に決算書の特記事項にその反証の明記が必要だそうです。 

通達での300万円の線引きの曖昧さ

今回300万円という明確な数字が決められましたが、

300万円以下の場合すべてが雑所得になってしまうわけではないようです。反証があれば事業所得での申告ができます。

まだ具体的な取り扱いについては10月の改正を待たなければ分かりませんが、(このまま変わりなく改正される見通しが濃い)

一律300万円という区切りだけではなく、

どのような時には雑所得に区分される副業になり、どのような時に事業所得で申告できるのかという事をもう少し丁寧に定めてほしいと思います。 

そもそも今回改正される通達は法律ではなく国税庁の職員に対する内規であるところから、法律的な力を持ちません。

例えば、サラリーマンが事業収入300万円以下であるため副業とされ雑所得にされたことに不服をもち訴えた場合には

裁判所が「収入の状況を総合的に判断」することになります。

この通達のみをもって判断はできないのです。

そう考えると通達に明確に定めたところでやはり曖昧さが残ります。 

曖昧さには型にはまらない柔軟さがありケースバイケースが許される長所がある反面、

どうとでも解釈でき、悪質な脱税につながる短所もあります。 

難しいところですが、10月の改正の内容の発表を待ちましょう。




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