インボイス制度~少額特例の対象外:基準期間の課税売上高1億円を超える事業者は大変

こんにちは。

和歌山市の女性税理士、内西です。

今年に入り、例年になく大雪が降ったりとても寒い冬となっていましたが、

ようやく日が長くなり、夕方5時でも明るく、朝の冷え込みが和らぎもう春はすぐそこです。

外出すると梅の花や桃の花が咲いているのを見かけます。

なんだか明るい気持ちになります。

さて、個人の確定申告真っ最中ですが、10月から始まるインボイス制度も気になります。

今回は基準期間の課税売上高が1億円を超える事業者について考えてみたいと思います。

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基準期間の課税売上高1億円を超える事業者は大変

インボイス制度は、

免税事業者でもインボイス(請求書・領収書)を発行するためには課税事業者にならなければなりません。

インボイス制度が始まり登録事業者になると新たに消費税の負担を強いられる免税事業者。

一番大変なのかもしれませんが、

もともと消費税の納税義務者でも

消費税の計算を本則の方法

にて計算している事業者は、

インボイスが始まった後、仕入に関して、インボイス(領収書・請求書)を保存していないと、

その保存のない仕入や経費については仕入税額控除を受けることができなくなります。

これがインボイス制度です。

ですが、小規模な事業者にとっては事務負担が重くなることに考慮し、

経過措置があります!

経過措置:一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置「少額特例」

どんな事業者?

基準期間の課税売上高が1億円以下

又は

前年(前事業年度)の開始の日以後6ヶ月間の課税売上高が5,000万円以下

である事業者

例:当期 令和5年4月1日~令和6年3月31日 である法人の場合

①に該当しなくても②に該当すれば特例適用ありです!

いくら?

税込み

1万円未満

です。

どんな特例

税込1万円未満の請求書、領収書であれば、インボイスがなくても

帳簿の記載のみ仕入税額控除できる

という特例です。

ですので、

例えば

税込1万円未満の

飲み屋の領収書に登録番号の記載がなくても、

会計ソフトに交際費等で入力すれば、

これまで通り仕入税額控除ができます。

税込1万円未満の

カード払いで消耗品を購入した時の領収書を紛失していても、

カード会社の購入明細があれば、

それを元に、会計ソフトに入力すれば、

これまで通り仕入税額控除ができます。

1万円未満の取引は、会計ソフトに入力しさえすれば、

これまで通り仕入税額控除ができるのです。

令和11年9月30日までの期間限定

令和11年10月1日からはこの少額特例はなくなります。

いずれは、インボイスの保存に対応していかなければならなくなります。

適用のない事業者は大変

基準期間の課税売上高1億円超
かつ
前年(前事業年度)の6ヶ月間の課税売上高5,000万円超の事業者

適用外

1万円未満の小さな経費についてもレシート等、

仕入税額控除を受けるためには

紛失しないように保存する必要があります。

カード決済で支払った少額な経費についても、

レシート、領収書がなければ、仕入税額控除ができないということになります。

これまでは、3万円未満の少額な取引については、

帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められていました。

👇

当事務所ブログ参照

3万円未満のレシート紛失の場合 帳簿の記載のみで足りる 消費税 仕入税額控除の要件と保存書類


インボイス開始後

少額特例を使える事業者については1万円未満の取引については一定の帳簿の記載があれば

インボイスがなくても

仕入税額控除できます。

対し、適用できない事業者については

一部の例外を除き、少額取引であっても

仕入税額控除を受けるのであれば、インボイスが必要になるのです。

ETCスルーカードを利用しクレジットカード決済する高速代は?

そもそもレシートが出ないじゃないか!!

もしかして、こちらインボイスなく帳簿のみでもOKなのでは?

思い、わずかな期待を抱き、国税庁に問い合わせてみると

『「高速道路会社(NEXCO西日本)」においてWEB上の利用照会サービスから電子のインボイスが発行可能』

とのこと。

そちらからご自分でダウンロード頂き保存して頂くことになります。と・・・

参考までにサイトをのせておきます。インボイス制度開始までには対応するとのことです。
NEXCO西日本適格請求書等保存方式(インボイス制度)開始に伴う高速道路のご利用について

そうか・・・まぁ出るならそれをダウンロードして・・・そうかぁ・・

仕入税額控除するためには、

電子インボイスをまとめて1ヶ月なり数ヶ月ごとにダウンロードし、

カードの明細と突き合わせしなければならなくなります。

・・・手間です。

しかも電子での発行。

電子でもらったものは電子で保存

というルールがあります。(電子取引情報についての電磁的記録保存制度)

あとがき

ETCスルーカードを利用しクレジットカード決済する場合

法律で決められたものですから仕方がありませんが、

なんのためにこのような手間がいるようになるのでしょうか?と思わずにはいられません。

運送会社などかなりの数になるでしょう。管理が大変になります。

3万円未満の電車代などは

「請求書等の交付を受けることが困難な取引」

として、帳簿のみの保存で仕入税額控除ができるように定められています。

参考

インボイス制度に関するQ&A目次一覧 

問34「適格請求書の交付義務が免除される取引」


ETCスルーカードでの高速道路の利用はここには含まれないのです。

領収書の交付を受けることが困難ではないということのようです。

今後、AIが自動で高速道路会社から電子インボイスを取得し

クレジットカードの明細とを紐付けしてくれることが期待されます。

すでに、クラウド会計ソフト、マネーフォワードが、

ETCカード利用でクレジット払いする利用証明書について、

クレジットカードの利用明細との自動連携をしています。

インボイスとも連携できるでしょう。

このような無意味な手間こそAIに任せることが今後のデジタル化だと思います。

(注)当ホームページに記載しております情報の正確性については万全を期しておりますが、 これらの情報に基づき利用者自らが税務申告や各種手続きをされた場合の税務上その他 一切の法律上の責任は保障することはできませんのでご了承ください。



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